やれやれ、もやり
- 2016.12.21 Wednesday
- 04:08
求めてくれる人がいたら、そこで懸命にがんばりなさい。
そうしたら、次にまた誰かが求めてくれるようになります。
小さなことでもいいから、自分がやったと言えることをしなさい。
やったことを褒めてくれる人がいたら、その人のためにがんばりなさい。
じいちゃんと庭の草取りをしているとき、教わった2つの考え方です。
聞いたのは中学生のときで、そのとき相談した内容は学校での些末な悩みだったと思います。
道徳の授業みたいでしたが、すごくハラオチして、それ以来、いっつも頭のどっかに残っていて、今も判断のベースになっています。
その後、仕事を通じて経済的な意味で大成功した人たちにインタビューする機会に恵まれ、この2つは土台にはなるけれど、ジャンプ台にはならないんだなとわかってきました。
跳ね上がる人は、もっと自由で、シンプルで、強い我を持っています。
彼らの話を聞き、原稿に書き起こしながら、なるほどなぁと思うものの、あまり影響を受けずにここまできました。
あいかわらず、草取りのときに聞いた2つの考え方を支えにしています。
自由も、それを求める強い我も、支える強さも切迫感も持っていないんだろうなと。
いい塩梅の安全圏でバランスを保ちながら、それでもプレイヤーとしては役立てるようになってきたように思います。
うーむと唸るのは、1つの仕事に対して求めてくれる人が2人いて、双方の考えや立場にズレが生じているとき、どうしたらいいのか。
うまく天秤がつりあう落とし所を見出だせるといいのですが、いつもいつもそううまくはいきません。
そうなったとき、また別の求めてくれる人を探しに行くのが、ロスの少ない選択だとは思うのですが、割り切れそうで割り切れない。
やれやれ、もやりな年末です。
居心地がいいオフィス
- 2016.12.15 Thursday
- 11:33
今年はモノサスさんという会社の一風変わったコーポレートサイト「ものさす」の記事作成をお手伝いさせていただくことになって、働く場所のことについて考える機会が増えました。
これまで取材でお邪魔する企業というのは、本当に巨大な上場企業か、ぐいぐい伸しているベンチャー企業か、アイデア1つで勝負を始めたスタートアップの企業がほとんどでした。
上場企業のオフィスは整然としていて、お金がかかっていて、会議室も立派で、特に10年代になってから新築されたり、引っ越されている場合、はいはいスマート! でかい組織は違いますなぁ、見晴らしもいいですなー、受付にロボットいたりするんですなーという感じです。
一方、スタートアップは基本的に経費を押さえ、ギュッと雑然としています。まれに最初からシャレオツな感じのところもありますが、あれはなんだか違和感を覚えるものです。
そして、伸している最中のベンチャー企業はオーナーの個性が色濃く出ています。いるの? バー? いるの? 和室? といった空間がある場合もあれば、そっけないほど、事務所然としたオフィスもあります。
何が言いたいかと言うと、たいていどこも「ここに机を置いて仕事したい! お願いします!」というほどの居心地の良さは感じないという話です。まあ、向こうもスペース貸してくれないと思いますけどね。
ところが、です。
「ものさす」で取材に行くWeb界隈の小規模ながら実力のある会社さんたちのオフィスは、どこもね、「こんな環境の仕事場あるんだなー」と感じるところばかり。オシャレだったり、雑然とした秘密基地っぽかったりと見た感じの印象はそれぞれなんですが、通底しているのは、文化部の部室っぽい雰囲気です。
わさわさしてて、でも、付かず離れず、居心地がいい。
ここだったら気分よく仕事できるだろうな、と。
特に昨日お邪魔したワウデザインさんのオフィスは、天井も高く、デスクスペースも広くて、いかす本棚があって、天気のいい日はいっぷくできるデッキ付き。毎日、そこそこおしゃれして出社しなくちゃいけなそうな気はしますが、それもまたメリハリでいいのかも。
うーん。うらやまし。
一度も就職せず、ここまでやってきたライター稼業の仕事場は基本的にずっと家の一室でした。
最初の最初は、衣装箱の上にパソコン置いて、畳の上にあぐらかきながら書いてましたし、その後の引っ越し先では2畳ぐらいの小部屋に文卓入れて仕事して、途中から腰が痛くなってきて、机とイスに変更し、「お、なんだか仕事っぽい」と思い、次の引っ越しによる狛江時代はムダに広いボロ一軒家だったので板の間を仕事部屋にして、仕事机の他に資料読む安楽椅子もあったりして、あれはあれでいい感じだったね、うん。
その後の調布はまたひどくて、リビングの片隅にデスクを置いたものの、いまいち集中できず、知り合いの編プロさんに机を借り、生まれて初めて定期的に出勤する体制を取ってみたこともありました。そこから新宿、千駄木、根津ときて、イスはちょっとがんばって買ったいいヤツがずっと相棒で、まあどこもこざっぱりしたマンションの一室なので、特に不満なく過ごしております。
(千駄木の部屋からは目の前の公園の木がたくさん見えて、あれはよかったなぁ)
が、こうやって新たな仕事で、すばらしき環境の仕事場を拝見していると、1回くらいこういう場所で働いてみたいという思いも募ってまいります。息子氏が大きくなってきたら、どっかに仕事場借りようかな。経費賄うくらい稼げるかな。借りた稼げる法則働くのかな。
つれづれ振り返る霜月
- 2016.12.01 Thursday
- 23:25
いやー、11月あっという間でしたね。
斎場でおじさんを見送って、文化の日の連休は家族で京都へ。
息子氏と鴨川を渡ったり、家族で谷崎松子さんのお墓参りをしたり、夜の京都を楽しむことなく連日寝落ちしたりと楽しみました。
翌週はおじさんの家の片付けと明け渡し。業者さんに頼んだら、ものの1時間くらいで終了。
男一人暮らし十数年の城は、すっからかんになってしまいました。
なんだかぽっかり。いろいろ考えさせられます。
でも、仕事が途切れるわけでもなく、その足で武田双雲先生のインタビューに行き、翌日は初めてお仕事させていただく出版社で打ち合わせ。
夜は週プレさんで始まった鈴木おさむさんの対談連載「父勉」の野口健さんの回の原稿を書き、本当に久しぶりに書きながら笑い、書きながらツッコミ、書きながらこりゃやばい、おもしろすぎると肩を震わせました。
今まさに発売中の号に前編が載っておりますので、ぜひ。