またひとつ消えていく
- 2011.07.29 Friday
- 11:43
あの人は目的に向かって迷いなく歩く男だった。
何をするにしても理論立てて考え、手際よく行動しなければ済まない男で、一仕事かたづけると、また次をかたづけ……、そんなことばかりを繰り返していた。
大衆演劇を見るにしても、笑うところで笑い、泣くところで泣き、幕が下りると、飛び上がるようにイスから立ち上がった。
一本気な姿勢はマウンドの上でも変わらなかった。
速い球を投げ、三振を奪い、足元をならし、また構える。
迷いなく投げる男だった。
明け方の歓喜と妄想と反省と展望
- 2011.07.19 Tuesday
- 12:03
世界一ですよ。
びっくりしました。
おめでとうござます。
ありがとうございます。
なんですかね、もう。
全試合フル出場しながらのー、
あの時間帯でのー、
ニアに全速力で駆け込みのー、
ジャンプしながらのー、
右足アウトサイドでのー、
ボールをフリックさせるような、あのシュート!
もし、キャプテン翼だったら、澤選手のゴールシーンだけで、単行本2冊くらい費やすような勢いですよ。
延長後半、リードされて絶体絶命。
澤選手、渾身のミドルパスがラインの裏へ抜けた近賀選手へ。
しかし、ループ気味のシュートは枠を捉え切れず、相手DFがクリア。
もうダメか、ダメなのか……。ざわざわ(←これは違う漫画だ)。
“みんな、顔を上げて、わたしの背中をごらん。このCKを決める!!”
相手GKが治療を受ける間、短く打ち合わせる澤選手、宮間選手、阪口選手。
過去に何度となく敗れてきたアメリカとの戦いがインサートされる。
数少ない得点シーンを思い出す。
“決めるのは澤さん、わたしがおとりになって決めさせる!”
“どんなに疲れていても練習で磨いたキックの精度はわたしを裏切らない!”
ニアサイドへ放たれたボール。
各々のLリーグでの活躍やアメリカの選手のエピソードが挿入された後、決定的な場面へ。
澤選手のアウトサイドがボールの軌道を変え、ゴールネットが揺れる。
がっくりとうなだれるアメリカイレブン。
“この数センチの差が、この粘りが、なでしこ力!?”
ふぅ。
早朝の劇的同点ゴール。
繰り返される映像を見ながら、妄想は広がるばかり。
イングランド戦に敗れ、準々決勝の対戦相手がドイツになった時点で、劣勢を予見して、敗退のショックを和らげようとしながら応援していた自分を叱りつけました。
何年もの時間をかけてサッカーの質を変えながら、長らく越えられなかった山を3つも乗り越えた代表チームの戦いに度肝抜かれました。
これを機に世界の女子サッカーのプレイスタイルは大きく変わるでしょう。
フィジカル重視のいってこいは完全に過去のものになり、日本が見せたフリーランとスペース作りを各プレイヤーが共有し、ミスを恐れずボールを動かす流動的なパスサッカーのエッセンスを各国が取り入れていく。
ロンドン五輪でのアメリカ、ドイツ、ブラジルは日本対策を敷いて挑んでくるはず。
それはそれで楽しみすぎます。
しかし、ですよ。
W杯で優勝かー。
できるんだなー。
メイド・イン・ジャパン
- 2011.07.15 Friday
- 18:11
もはや茹で上がる寸前というか、体内にたまった熱が外に出ていかない感覚。
正午の新橋駅前は“ああ、とうきょうさばぁーくぅー”でした。
じりじりと肌を焦がすような光線の下、駅に着いた時も帰る時も改造したクルマの上で、政治についてがなり立てていた演説家のスタミナに尊敬の念を覚えました。
一方で、この暑いのに、ボリュームがでか過ぎるという不満もありますがー。
インタビューの後、そんな駅前まで移動して、テリー伊藤さんの写真撮影。
人混みの中でも揺らがぬサービス精神で、いろんなポーズを取ってくれました。
こういうプロフェッショナルさを目の当たりすると、やっぱり感動しますね。
役割の前では照れない。
当たり前だからこそ、なかなかできないな、と。
終了後、近くの喫茶店で、しばしお茶。
昨日、書いたブログを読んだカメラマンTさんからビシッとひと言いただきました。
「毎回、週中から予想を立てて、週末に勝負を賭けている立場から言えば、ぷらっと久々に競馬場へ行き、ぱぱっと新聞を買って予想を立てて当てられてたまるものか」
ごもっとも(笑)。
ちなみに、そのお店、夜はBar営業みたいなんですが、カウンターの端っこにTENGAが積んであったんですよ。
もう気になって仕方ないという。
こんなもやっとするなら、会計の時に聞けばよかったなぁ。
勝ち負けではない、なんて言ってみたい
- 2011.07.14 Thursday
- 23:14
インタビュー取材でチームを組む、カメラマンTさんと編集Nさんは競馬好き。
取材前後に交わされるふたりの雑談の大部分は、週末の予想談義が占めています。
そんなふたりの“あの馬が勝ったが、馬券は取れず、いや取った”的な話を横で聞きつつ、過ごすうち、久しぶりにむくむくと競馬場へ行きたい欲が浮上してきました。
しかも、先月来、黒鉄ヒロシさん、伊集院静さんとギャンブルの香りを纏う大人のインタビューが続きました。
そこで語られた賭け方のフォーム。
聞いているうちに始まる勘違い。
オレもいけんじゃねぇ!? と。
「賭場の何がいいか、わかるか?」
「勝てると思っているヤツしか集まらないところだよ」
なんつって受け売りした途端、薄っぺらくなる決めセリフも脳内を駆け巡り、時間のできた平日の夕方、ついつい大井競馬場へ出張ってしまいました。
重賞も何もないトゥインクル。
ほどよくがらがらでございます。
到着直後、新聞を斜め見して勝った第5レースか10レースまで。
見事なまでに、全ハズシ…。
別に1点買い×6レースじゃないですからね。
1回当てられない方がどうなんだろうかっていう。
特に後半の2レースは、予想というよりもこのオッズなら負けを取り戻せるという皮算用。
不確定な未来を見通す楽しさなんかどこへやら。
この馬がきそうだけど、あっちのがオッズいいしな…って。
そんな馬券が現実になるわけがありません。
いやー、やっぱり向いてない。
当たらないから向いてないんじゃなく、目移りしちゃう優柔不断さが情けないっす。
とはいえ、久しぶりの競馬場はかすかに馬ふん薫るいい風吹いてて、悪くなかった。
遠からずまた行きたいところです。
今度は1回くらい未来を見通したい。
準備、緊張、高まり、解放
- 2011.07.12 Tuesday
- 00:29
月末からこっち、なかなかハイペースでインタビューが続き、数人分のプロフィールが頭の中を占拠した2週間でした。
福島でのいっこく堂さんに始まり、サニーアワーズの早川正浩さん、映画監督の堤幸彦さん、作家の伊集院静さん、NTTナビスペースの岡敦子社長、ナインティナインのおふたり、と。
合間にオカンの1泊2日検査入院in八王子東海大の送り迎えというミッションも加わり、わーーーーっと過ぎゆき、気づけば梅雨が明けておりました。
それにしてもです。
伊集院静さんの存在感は尋常じゃありませんでした。
声がいい。よく通り、温かく、重い。
発せられる言葉のリズムは、和太鼓の演奏を聞いているかのようで腹に響きました。
男が物事を決める時は、損得で選ぶな。約束が先だ。
自分の将来を安易に「こうだ」と立てるな。
原稿料が低いという話は聞きたくないな(笑)。
3つ目は冗談交じりのひと言でしたが、どうっすか。
もうね、どっこんどっこんと射貫かれまくりです。
あーもー、かっこいい大人だったな、まったくもう。
ちなみに、講談社から出ている伊集院さんの近著「お父やんとオジさん」は、“漢”がドシドシ出てくる凄まじい小説です。朝鮮半島が何故、南北に分かれ、その時、日本で暮らしていた半島出身者がどう生きていったのか。自分の無知だった部分を大いに補い、刺激してくれる1冊でした。とにかく僕は、昭和のことを知らな過ぎるわ…。
また、今度改めて書きますが、「とぶくすり」で大いに笑い、いまでは毎週「やべっちFC」を見ているだけに、ナイナイさんのインタビューも僥倖でした。
キミはそこにいたのかい
- 2011.07.05 Tuesday
- 23:14
急遽、大物さんのアポが取れた! とのお知らせ舞い込む。
取材は70時間後。資料はこれから。
うわちゃーってことで、21時過ぎ。
その時間帯に営業中で、比較的そのジャンルの品揃え豊富な書店へ駆け込む。
ところが、無念の在庫切れ。
狙いの資料本以外を見てみるも、収穫なし。
消沈しながら、帰宅して、amazonさんをチェック!!
在庫あり、明日にはお届けします!
らくちん過ぎて、ありがたみがない(笑)。
でも、そういうことなのだ。
というわけで、7月最初の更新です。
下半期、早くも融ける暑さですが、がんばっていきましょー。
しかし、節電で冷気ゼロの混み合ったエレベーター。
いま、これが止まったら……と想像して以来、俄然エスカレーター派に転向です。