四谷から中野まで

  • 2007.07.31 Tuesday
  • 16:43
中央線の中で座って文庫本を読んでいた。
夏休み。今年もポケモンスタンプラリーは大人気。
車内はピカチュウもどきでいっぱいだ。
四谷で乗ってきた中学生が目の前に立った。
両足の間に挟み込みんだ鞄からなにかを取り出す。
文庫本の向こう側。
視線の先で、彼女が屈みこみ、靴下を少し下ろした。
手に持ったリップのようなものを脛のあたりに塗っていく。
ぐりぐり、ぐりぐり。
ソックタッチだ。
ひと塗り、ひと塗り、強い意志をすり込むように。
靴下がずるりと下がることは、そんなに忌むべきことだっただろうか。
彼女の隣に立っているあんちゃんのジーンズはずるっと下がり、パンツが顔を出していた。
見た目に麗しくもない小さな水玉模様のトランクス。
その横で、右足の作業を終え、左足へ。
同じリズムが刻まれる。
ぐるりと脛を一周すると、丁寧に靴下のゴムの部分をぱちりと引き上げた。
やりきったといった顔で前を向き、車窓を眺める。
その横で電車の揺れに合わせて水玉模様が左右に動く。
だらけた空気とぴりっとした空気が混じり合う。
中央線が中野駅のホームへ滑り込む。
文庫本を閉じて、席を立つ。
ふいに夏だな、と思ったら楽しくなった。

うれしい誤算

  • 2007.07.31 Tuesday
  • 00:52
先日まとめて買った4冊の本が全部ステキで幸せな気持ち。

当たりってあるんだね

  • 2007.07.27 Friday
  • 15:43
070727_1544~001.jpg
夏と言えば、ガリガリ君。生まれて初めて当たった(笑)。

何年先でも

  • 2007.07.26 Thursday
  • 00:57
もし結果を知らぬまま、録画を見ようと思っている人がいたらごめんなさい。
アジアカップ準決勝、日本対サウジアラビア。2−3でした。

多くの人が書いていますが、僕もまた06年6月のダメージから回復できないひとりです。あのワールドカップ以来、黄色のユニフォームのチームが全般的に嫌いです。黄色には全部勝って欲しいとすら思っています。準々決勝でのオーストラリア戦。花巻取材の帰りの新幹線の中にいてリアルタイムで見ることができなくて、本当に残念でした。でも、PK戦の末、勝ってくれました。

「時計が再び動き出した」

そう表現していたサッカーライターさんがいました。
たしかにその通りだ。と思いつつ、僕の中ではアジアカップに優勝することで得られるコンフェデレーションズカップのことがちらちらしていました。

圧倒的なサッカー見せて決勝まで上ってきたアルゼンチンを応援していた07年のコパ・アメリカ。決勝の相手はブラジルでした。メッシー、リケルメ、テベス。アルゼンチンに魅了されていた僕の声援は予想外の0−3敗北につながりました。ブラジル優勝。テレビ越しで見たリケルメの寂しげな横顔が忘れられません。

しかし、そうは言っても他所の国の出来事。すぐに頭を切り替えて、これで一歩近づいたと思ったんです。

なにがって?

それはあのドイツの一夜。6月22日、ドルトムントはヴェストファーレンスタジアムでの敗戦を塗り替える瞬間。ファンキャンプで過ごした時間を笑い話に変えてくれるチャンスの訪れです。アジアを制すれば、次のコンフェデレーションズカップへの出場権が得られる。そして、高い確率でブラジルと対戦できる……。

サウジアラビア戦の直前、準決勝のもう一試合はイラクがPKで勝ちました。120分戦って、内容もさほどよくはなく、これは日本にとって手ごろな相手だ。そんなことを思ったバチが当たったのでしょうか。

ドイツの地では、はかなく薄い存在感でサイドに張り付き、打てるチャンスをパスでいなしていた10番は今日もそんなプレーになっていた気がしてなりません。

ともかく、これでブラジルとのシリアスな再戦の機会が遠のいていきました。日韓戦で3位決定戦。いいじゃないですか。赤は赤でドラマがあります。

でもね、僕はもう、赤を倒すドラマじゃ食い足らないんです。黄色いブラジルに「ざまみさらせ」って勝ち方をするまで代表を応援し続けます。これは科せられてしまったある種の呪縛です。試合後のわずかな映像で、代表の22番が同じ縛りに搦め捕られているように見えたのが、唯一の慰めでした。

美しく晴れ上がった空に思う

  • 2007.07.25 Wednesday
  • 01:47
彼は階段の下から上へ。堅く括られた新聞を肩に背負い登っては降りる。グッと体を縮ませると重い塊の中心を捉えて立ち上がり、階段をひょいひょいと駆け上がる。支給されている、あるいは買わされたであろうださいデザインのポロシャツには汗がにじんでいる。売店の前に塊を下ろす。彼は××新聞です! と威勢よく声をかける。売店のおばちゃんはおざなりな挨拶で彼の声に応える。

再び、彼は小走りで階段を降りる。今度は台車の上に積まれた漫画雑誌を運び始めた。胸のでかい水着の女の子が微笑んでいる。表紙が汗でにじまないよう配慮したのか、彼は肩にタオルを敷いて漫画の塊を肩に乗せた。またもや軽やかなステップで階段を登っていく。階下でメールを打ちながら、そのリズミカルな仕事ぶりを眺める。たたーんと運び、どすんと下ろし、すたすたと戻ってくる。たたーーん、どっすん、すったたー。

台車の上の荷物は見る見るうちに減っていき、売店は夕刊紙の最終版と明日の朝、発売になる雑誌を飲み込んだ。彼は台車を転がしながらどこかへ駆け抜けていった。その間にも何百人という人が行き来し、電車は何本も行き交い、絶えず誰かがどこかへ移動していった。当たり前の光景。けれども皆が積み上げた情景。

これが明日も続く保障はどこにもない。

一揆は間近か

  • 2007.07.23 Monday
  • 18:31
先々インタビューをする予定の俳優さんが主演している映画を見せてもらいに映画美学校の試写室へ。とある監督の初監督作とのことでしたが、内容はうーむという感じか。終映後、試写室が明るくなると、とっても久しぶりのライターNさんのお姿が。編集N氏とともに3人でしばしお茶。しかし、分煙式の喫茶店の喫煙席は咽の痛い風邪引きには厳しいものがありました。いがいがしながら、基本、ふたりの話に耳を傾ける。何年ぶり? 5年は確実に過ぎてますよね? 8年、10年かも……と、そんな感じ。

サグチくん、髪形とメガネ込みで、八嶋智人さんに似てない? と言われ、うまい切り返しもできず。最近、たまに言われるんですが、喜ぶべきなのかしら。

そんなこんなで映画話をしながら編集N氏と事務所へ向かう。その電車の車中。昼飯まだでしたねってなことを言っていたら、N氏、財布を開き、「俺の財布90円しか入ってないよ」とにやり。



駅についたら「10代の頃、40代になってそんな財布の中身で街を歩いているとは思わなかったなぁ」とやさぐれつつ、銀行へ消えていきました。ま、口座には入っているからいいじゃない。

で、事務所に入れば入ったで隣の席の若手が「ビールおごってくださいよー。給料前で財布に130円しか入ってないんっすよー(笑)」とぼやいてる。名誉のために書いておきますが、この編プロさんは僕が見てきた中ではだいぶ素敵な会社ですよ……。

選挙も近づき、候補者のみなさんはみんな威勢のいいことを仰ってますが、戦後最大の景気拡大とやらの実感はいつになったら下々まで波及してくるんでしょう?
働きっぷりが悪いヤツにはパイの分け前はねーんだよ! という自己責任論で事が収まるほど、世に漂う澱は少なくないように思えますが。

待ち時間は70分

  • 2007.07.22 Sunday
  • 14:25
070722_1418~001.jpg
そりゃ警備員ふたり配置しても儲かりますなー。しかし、ドーナッツになぁ…。日焼け対策までして。みんな、よう並ぶわ。

などとぼんやり新宿南口にて。サザンテラスで待ち合わせで、と取材相手の方に言われて、了解ですと応えたものの、サザンテラスって広大だなぁ。

いよいよ

  • 2007.07.21 Saturday
  • 14:34
070721_1428~001.jpg
ステラミーゴいわて花巻のプレシーズンマッチ。試合前のプレスルームです。ちなみにあの後さらにマルカンデパートの大食堂で昼飯食べました。昔ながらのナポリタンは美味でした…。
でも、今回の取材の本丸はあくまで、この試合。対戦相手は青森、岩手県選抜。トップリーグのチームが負けるわけにはいきません。            

あいにくの天気です

  • 2007.07.21 Saturday
  • 12:17
070721_1059~001.jpg
朝からぐるぐる取材中。朝食食べた30分後にわんこそばを40杯…(笑)。さらに焼きプリン大福を物撮りし、ぱくり。花巻は「もりっこよく」お腹いっぱい。賢治スポットもいっぱいです。

イギリス海岸?

  • 2007.07.20 Friday
  • 06:46
おはようございます!
これから岩手県は花巻市へ取材へ行ってきます。
Fリーグに参戦するステラミーゴいわて花巻を軸に花巻の魅力を探る1泊2日。
生まれて初めての岩手県。わくわく。

でも、FAXで届いた取材スケジュール表は30分刻み…。
敏腕編集H氏の巧みなスケジューリングに感嘆しておるのでありました。
だけど、現場はナマモノなのさ……(笑)。

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